2010年03月20日

+しっぽ+

 祭壇の裏戸から降りて隠し部屋へ入る。壁に並ぶ瓶詰めの「しっぽ」「しっぽ」「しっぽ」。誰にも言えない。神にだって隠し続ける私の背徳。滅した悪魔のしっぽコレクション。一つの瓶からしっぽを取り出す。ペニスにあてがう。私のブツは熱を帯び、あっという間に硬くなる。
 ああ、何年前だろうか。このしっぽの持ち主だった雌の悪魔を滅したのだ。なんとも魅惑的なしっぽの動きだった。特徴たる愛らしい顔より、豊かな胸より、くびれた腰より、甘い声より、何よりもそのしっぽが私を興奮させた。自らの使命より、そのしっぽを手に入れるために悪魔を滅した。先にある快楽のためにその場の興奮を殺すことは、私には、難しいことではなかった。
 射精前の昂ぶりを感じた途端、ペニスが萎える。
 悪魔に魅入られていた男たちからは感謝されたし、教会からも正式な謝礼状を受けたし、仕事の依頼も増えたし、それによりたくさんのしっぽを見、また手にすることができた。満たされているさ。満たされすぎて溢れる手前だ。私は成功者だ。
 ペニスに触れるしっぽが甲高い笑い声を上げる。いや気のせいだ。だが。このしっぽを手に入れてから、ただの一滴の精液だって出せやしない。

++追記。++

 500文字の心臓第93回タイトル競作参加。
 曖昧なまま放っといた所をしっかり指摘されてイタイイタイ(笑)。
 貰えると嬉しい言葉も貰えたので良かったのではないかと。
 ただまあ、思いつきだけで投稿するのはいい加減にやめたほうが良いかも。

 結果:△△
 以上。
posted by 三里アキラ at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction 心臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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