2010年09月18日

+エジプト土産+

 野球の甲子園、ラグビーの花園、陸上のオリンピア、導魂のエジプト。
 導魂では、四者一チームで使者となり死者の魂を制限時間内にいかに遠くまで運べるかを競う。プロの死神なら仕事として魂を肉体から黄泉の国へ運ぶのだが、ボクたち卵は自縛霊とか浮遊霊なんかを移動させるだけだ。ボクは代表メンバーのレギュラーだった。だったのだが、訓練中に呪いをかけられて敢え無く日本に居残りとなった。
「とにかく暑かったよ。負けたし、来なくてよかったんじゃない?」
 ボクの代わりにレギュラーとなった彼は、砂の入った風邪薬の瓶を渡してくる。笑顔が眩しい。受け取る。
「砂?」
「記念に、な。それはお前の分」
 ピラミッドもスフィンクスも何もかもを埋めて忘れさせる砂。次の大会の時が開催されるとき、ボクは既にプロデビューしている。ボクの評価は高い。スカウトも来ている。蓋を回す。さらりと中身を浴び、彼が目を丸くして息を飲み、その後は誰も知らない。

++追記。++

 500文字の心臓第98回タイトル競作参加。
 あっちでも書いたけど、自分ですごくすごく気に入ってる作品です。

 結果:△×○
posted by 三里アキラ at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction 心臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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