2011年04月16日

+天空サーカス+

 晴れ。音色にひかれて土手に行くと、金ピカのサックスを吹く白いカラスがいた。
「いい音ですね」
 話しかけてから気付く。往年の名クラウン、アレン・カラスだった。カラスはにやりと笑みを浮かべ、メイクはしていないが俺はまだ道化をやれるぜ、とサックスを吹く。
「そういえば今日は天覧公演ですね」
 ああ、と頷いてカラスは空に音色を響かせる。
「戻りたい?」
 問うとサックスの音が大きくなった。怪我をした脚で不器用ながらも愉快なステップを踏む。
 観客は天人だけじゃない、今目の前にいるアンタだって観客だ、俺は笑わせるのが仕事だ、生きるのが仕事だ、天人に魂を連れていかれる前に地べたを這ってでも笑いを取ってやる。
 ――そう言ったのはカラスか、私か。世界がよく混ざりあったいい日だ。

++追記。++

 500文字の心臓第103回タイトル競作参加をちょこっと改稿。

・天覧は天皇が見るって言う意味というのは確かに確かにで、
 自分でも書くとき悩んだのだけれど、天皇って神様の末裔だしいいかなという逃げ。
・で、天界人ってのは自分でも違和感あったり。
・ホントは「天人」と書いて「そらびと」とルビを振りたかったり。
・天界のサーカスってのはそうだよなあって、だから「空」っていっぱい入れた……
 つもりだったら一回しか入ってないという。


【選評】天空サーカス
http://otd5.jbbs.livedoor.jp/500_select/bbs_plain?base=4015&range=32

 結果:○△×○△○○
posted by 三里アキラ at 06:23| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction 心臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/196063207
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。