2011年09月10日

+ジュエリーボックス+

 パリ、パリ、と凍りついた赤い落ち葉を踏みしめながら森の奥へ向かう。木々の大半は葉を落とし、冷たい風が吹きぬける。隙間から見える空は鉛。
 もういいだろう、と人が踏み入った気配のない場所に穴を掘り始める。ザクッザクッ。落ち葉を分けた地面は思ったよりも固かった。それでもバスタブくらいの大きさの穴を掘ることができた。
 持ってきたキャスタートランクを開ける。中からチョコレートを取り出して穴に放り込む。本、放り込む。レコード、放り込む。飴玉、ざらり。写真、ぱさり。最後に僕自身が穴に入り込む。お風呂につかるように。
 ふぅ、とため息をつくと空から雲の欠片が降り始め降り積もり、宝物は誰にも見つからない。

++追記。++

 前のエントリで応じてくださった、砂場さん、いさやさん、松浦さん、コウジさん、butapennさん、ありがとうございました。
 ちょっと元気出ました。
posted by 三里アキラ at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。