2010年03月06日

+愛し愛されて生きるのさ+

 くすくすくす。手ぇつないじゃう? やーだよっ、恥ずかしいじゃん。でも、キミがつなぎたいんだったらつなぐよ。どっち? ねぇどっち? くすくすくす。
 ね、雨上がったね。そっちも上がった? まだコーヒー飲んでるの? コーヒー飲み干したら、散歩しようよ。まだ日が高いから。すぐキミんち、行くからさ。電車乗ったらたったの1時間とちょっとで着くから。この前、かわいいワンピ買ったんだー。ちょっとね、おんなのこおんなのこしてて、いい加減年考えろよって感じのかわいいワンピ。ね、それ着て行ったげようか。
 ね、今さ、すごーーーーっくキミに会いたい。会ってさ、ぎゅうって抱き締めたい。え? やだやだ、くすくす、手はつながないってば、恥ずかしいんだって。くすくすくす。
 だから、さ、あんまり泣かないでよ。
 アタシさ、人の泣き顔見ると笑っちゃうんだ。変でしょ。くすくすくす。ね、笑ったげるからさ、会おうよ。今から行くから。キミは部屋から一歩も出なくていいから、アタシが押しかけるから、さ。かわいいワンピのアタシがキミのためにアイスクリーム途中で買ってったげるから、1時間、待ってて。
 え? くすくすくす。しょーがないなぁ、手ぇつないであげるから。くすくすくす。頭なでなでも付けとこっか?

++追記。++
posted by 三里アキラ at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction DISC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月21日

+SeasonTrain+

 カタタン、カタタン、安定したリズムを刻みながら列車は走る、カタタン。
 ボックスシートの窓から見る景色を、カタタン、見やる、カタタン、カタタン。
 おでこが触れるガラス冷たい、ずっと見えてる遠くに山、ブルーグレーの少し重い空、時々入る緑の茂み、クリーム色の集団住宅。
 カタタン、カタタン、カタタン、カタタン。
 当たり前すぎて気にならなくって、でも気付いていったほうが良くって、小さな発見に光が灯る。
 カタタン、列車は走る、カタタン、カタタン。
 カタタン、カタタン、列車は走る、カタタン。
 カタタン、カタタン、カタタン、列車は走る。
 日常という旅、列車は走る、日は暮れない、暮れるわけない、列車は走る、カタタン、カタタン、カタタン、カタタン……。

++追記。++
posted by 三里アキラ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | Sudden Fiction DISC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

+Mood4Luv+

「なんだよ、コーヘイ全然飲んでねーじゃん」
 ケンジはそう言ってオレのグラスにビールを注ぐ。そんな飲み会@男子オンリー。
 フラれたヤツを慰め、バカ話をし、その流れで猥談、といつもどおりといえばいつもどおりのオレ等の飲み会。
「ちょーみんな聞いてー、こいつ今LOVEモードにINですよーー」
 ってケンジ、オレの携帯返せっ。
「ヤッた?」「ヨかった?」「可愛いって聞いたぞ」「いやあれはビジンだろう」「なになに、この待ち受け、彼女?」「うらやましー」etc.
 返ってきた携帯にイタズラされてないことを確認して、吐息。
「だから飲めってーーー、はー一気一気!」
 実はオレ、そんなに酒、強くない。とか何とか思いつつノリ悪いってのも不本意なので飲むぜ。中瓶1本一気。
『いえーーーー』
 場は盛り上がり、オレ少し酔ってきた。バカ話をし、その流れで猥談。笑い声。それ以降は曖昧。
 こいつらと出会ったのもある意味幸せな奇跡。感謝。
 でも、でも今はもっと。
 携帯の短縮ナンバー1。つるるる、つるるる、つる。出た。
「どしたー?」
 暖かくて可愛い声。声だけで想像できる。オマエの微笑み、甘い香り、オマエがいる景色、これから続いていく未来。
「や、ちょっと声が聞きたかっただけ、ごめん切るね」
 言いたかったセリフは、今度オマエに会ったときに言う。言うから。


++追記。++
posted by 三里アキラ at 05:00| Comment(3) | TrackBack(0) | Sudden Fiction DISC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする